冬にM-65フィールドジャケットへM-65ライナーを装着したにもかかわらず、「暖かくない」「思ったより寒い」と感じる人もいるでしょう。
結論言うと、それは防寒性能が低いからではありません。
M-65は、寒冷環境下で立ち止まって暖を取ることを目的とした防寒着ではなく、行軍や作業など、つまり長時間歩き続けたり身体を動かし続ける状況を前提として設計された軍用被服だからです。そのため、動いている間は快適に感じやすい一方で、長時間立ち止まると十分な暖かさを得にくいという特性があります。
M-65フィールドジャケットの防寒性

まずは、M-65フィールドジャケット本体の機能を整理します。
| 見るポイント | M-65フィールドジャケットの実際 | どう感じやすいか |
|---|---|---|
| 表地素材 | コットン×ナイロン混紡 | 風はある程度防ぐが保温力は低い |
| 断熱性 | ほぼなし(中綿なし) | 単体では寒い |
| 保温の仕組み | 体温を溜め込まない構造 | 動かないと寒い |
| 防風性 | あり | 風がある環境では体感温度が下がりにくい |
| 防寒の役割 | 外側の殻(シェル) | 暖かさは中に着る服次第 |
| 向いている状態 | 行動中・重ね着前提 | 動いていれば問題なし |
| 向いていない状態 | 停止時・軽装 | 寒く感じやすい |
M-65は「着ているだけで暖かくなる服」ではありませんが、行動中の体温を調整しながら寒さに対応するための上着です。そのため、ライナーを装着していても、動かずに過ごす状況では寒く感じやすくなります。
M-65ライナーの防寒性

M-65ライナーは、着ているだけで体を暖めるための防寒着ではありません。動いている間に身体が生み出した熱が急激に失われるのを抑え、行動中の体温を安定させるための中間着です。
体温を積極的に溜め込むほどの強い保温力はありませんが、行動中に生じた熱が一気に逃げるのを和らげる役割を持っています。
| 項目 | 内容 | 意味・役割 |
|---|---|---|
| 主素材(表地) | ナイロン | 軽量で耐久性があり、行動時の摩耗に対応 |
| 中綿 | ポリエステル系中綿 | ダウンほどの断熱力は持たせず、必要最低限の保温を担う |
| キルティング構造 | 波状キルティング | 中綿の偏りを防ぎつつ、可動性と通気性を確保 |
| 断熱性能 | 低〜中程度 | 体温を「溜め込む」のではなく、逃がしにくくする設計 |
| 防風性 | なし(単体) | 防風はM-65本体側で行う前提 |
| 役割 | 中間着(インナーライナー) | 行動中の体熱を補助的に保持するための存在 |
| 使用前提 | 行動時・運動量あり | 停止状態での強い防寒は想定外 |
そのため、現代の冬の街中でゆっくり歩いたり、立ち止まって友達や彼女と話す時間が長い環境では、身体が十分な熱を生み出せず、寒さを感じやすくなります。
一方で、気温が低くても長時間歩行する場合や作業を継続する状況では、体温の上昇とともにM-65フィールドジャケットとライナーが機能し、蒸れにくく快適に行動できます。
まとめ
このように、M-65が寒く感じられる場合、それは防寒性能の不足ではなく、止まった状態での保温を求める着用方法によるものです。動き続ける前提で使用すれば十分に性能を発揮し、停止を前提とすれば寒く感じやすい――それがM-65フィールドジャケットとライナーの特性です。
- 軍の訓練や実践のように、長時間よく動く状況 → 暖かい
- 街歩きや立ち止まる時間が長い状況 → 寒く感じやすい
暖かさを最優先するなら、選ぶべき軍モノアウター
真冬の屋外で長時間立ち止まる場面や、確実な防寒を重視したい場合は、M-65とは役割の異なる防寒性能の高い軍モノアウターを選ぶ方が快適です。たとえば、ECWCSレベル7のような高い断熱性を持つアウターであれば、寒い環境でも体温を保ちやすくなります。
ミリタリーショップのWAIPER では、このような防寒性を重視した軍モノアウターを幅広く取り扱っており、防寒性能を重視した軍モノアウターを、用途ごとに選び分ける際の判断材料になります。

