実物かどうかは「タグ(ラベル)」を見るのが最も確実

M-65ライナーの実物とレプリカを見分けるうえで最も確実なのは、見た目や素材の印象ではなく、ライナー内側に付いているタグを確認する方法です。
この判別方法は、
- M-65フィールドジャケット用ライナー
- M-65フィッシュテールパーカー(モッズコート)用ライナー




どちらにも共通しています。
また、M-65ライナーは製造年代によって細かな仕様の違いはありますが、年代が異なっていても、実物とレプリカの見分け方そのものは変わりません。
基本となる考え方は、どの年代でも「タグを確認すること」です。
M-65ライナーのタグで見るべきポイント【実物判別】
先にも書きましが、ここで解説するタグの見方は、フィールドジャケット用・フィッシュテール用のライナーいずれにも共通します。※年代によって表記が若干異なる場合はあります。


① いちばん重要:コントラクトナンバー(契約番号)
タグの中で、最も重要なのがコントラクトナンバーです。
例:
DSA100-76-C-1197
- DSA / DLA / SPO などで始まる英数字
- 「76」=1976年(契約年度)
- 米軍との正式な調達契約番号
この形式のコントラクトナンバーが記載されている時点で、実物である可能性は極めて高いと判断できます。
コントラクトナンバーは、米軍が納入品を「どの契約で・どのロットとして」管理するための必須情報です。検収・不具合対応・回収の際にも、この番号を基に追跡されます。
民生レプリカは、こうした軍の調達管理システムの対象外であるため、同形式の正規コントラクトナンバーが入っている必要性がありません。そのため、レプリカでは番号自体が無いか、あっても形式が崩れているケースがほとんどです。
② 正式名称が書かれているか
タグの最上段には、米軍の正式な物品名称が記載されます。
例:
LINER, COLD WEATHER COAT, MAN'S
LINER, EXTREME COLD WEATHER, PARKA
※フィールドジャケット用とフィッシュテール用で表記が異なります。
ここで重要なのは、
- 「M-65 liner」などの通称表記は使われない
- 官給品らしい、事務的で堅い名称になっている
という点です。
レプリカの場合は、「M-65 LINER」「LINER JACKET」など、民生向けに分かりやすい表記になっていることが多く見られます。
③ NSN(ナショナル・ストック・ナンバー)の有無
次に確認したいのが、NSN(National Stock Number)です。
例:
8415-00-782-2888
- 8415:被服類
- 00:米国管理番号
- 残り:個別識別番号
NSNが記載されているということは、そのライナーが米軍の物品管理リストに正式登録されていた官給品であることを意味します。
さらに確実に裏付けたい場合は、iso-group などのデータベースサイトで、NSNを検索してみてください。
検索結果に表示された
- サイズ
- 色
- 用途
などが実物と一致していれば、実物と判断して問題ありません。
実際には、NSNが正式にヒットする時点で、ほぼ実物確定と考えて差し支えありません。
④ 素材表記がシンプルで機械的
実物のタグでは、素材表記も非常に事務的です。
BATTING - 100% POLYESTER
OUTER COVERING - 100% NYLON
- 素材名と混率のみ
- 補足説明は最小限
- 物品管理に必要な情報だけを記載
これは、着心地や性能をアピールするためではなく、軍の補給・管理を目的とした表示であるためです。
⑤ サイズ表記が「胸囲基準」
実物のサイズ表記は、S / M / L だけでなく、実寸の胸囲範囲が併記されます。
例:
CHEST: FROM 37 TO 41 INCHES
MEDIUM
これも、軍衣料らしい特徴で、民生品ではあまり見られません。
タグによる見分け方まとめ
M-65ライナーの実物かどうかを判断する際は、見た目や中綿の厚みではなく、
- コントラクトナンバー
- 正式名称
- NSN
この3点をタグで確認するのが、最も確実な方法です。
実物のM-65ライナーは「不完全」な個体も多い
実物のM-65ライナーには、左右で明らかに色味が異なる個体が少なくありません。これは不良ではなく、ベトナム戦争期の大量生産と補給事情によるものです。

当時の米軍では、外観の統一よりも 機能・耐久性・規格適合 が優先されており、左右で色味が異なるライナーであっても、正規品として問題なく使用されていました。
なぜ左右で色が違うM-65ライナーが存在するのか

※写真では少しわかりにくいのですが、実際に見ると色の差がやばいレベルの個体もある。
左右で色差が出る理由は、主に次の3つです。
① 染色ロットの違い
同じオリーブグリーン指定でも、染料・配合・染色条件・ロットの違いにより、色味に差が出るのは普通でした。
② 戦時下の「つぎはぎ生産」
需要が供給を上回る中で、使える生地を優先的に使用する生産が行われていました。
③ 現地修理・補修
別年代・別工場・別ロットの生地で修理され、色が合わなくても機能優先だった個体も存在します。
早い話、戦場ではどうせすぐ破れたりダメになるんだから、色の違いなんて気にしないってことですね。
実際に見比べて分かったこと
これは私自身の経験ですが、実物のM-65ライナーを何着か見比べた際、
- 左右で色が違うとレプリカではないか
- 色が揃っていない個体は問題があるのではないか
と感じたことがありました。
しかし、タグや仕様を確認しながら複数の個体を見ていく中で、色味の違いだけで実物・レプリカを判断することはできないという結論に至りました。
むしろ、
- タグが実物仕様
- コントラクトナンバー・NSNが確認できる
- 色ムラや左右差がある
こうした条件が揃っている個体ほど、実物らしさが強いケースも少なくありません。実物はレプリカのように綺麗な個体ではないものが多い傾向がありますから。
まとめ
- タグで見る方法は、年代問わず有効
- コントラクトナンバー・正式名称・NSN をまず確認
- レプリカはタグにブランド名が書かれてることがよくある
- 色の左右差は必ずしもマイナスではなく、実物の特徴
- 専門店での購入は、初心者でも実物にたどり着きやすい実践的な選択肢
本物の実物M-65ライナーを確実に手に入れる方法
ここまで読んで、少し難しく感じた方もいるかもしれません。
特にネット購入では、個体ごとにタグを細かく確認するのは現実的に難しい場面もあります。
そうしたリスクを避けたい場合は、長年にわたって軍放出品を専門に扱っているショップを利用するのが、もっとも確実な方法です。
その一例が、WAIPER。
私自身もここでM-65ライナーを複数購入していますが、いずれも実物でした。
失敗を避けたい方のために、WAIPERの実物 M-65ライナー(フィールドジャケット用)の商品ページへのリンクを貼っておきますね。
※アルファのM-65ライナーもありますが、レプリカです。
※M65ライナー フィッシュテール用のライナーは単体で売られてることが珍しく、リンク先が見当たらなかったです。
