結論から言うと、数字の大きさは「生地の厚み(重さ)」と「保温力」に比例します。
POLARTEC(ポーラテック)の100、200、300という数字は、1平方メートルあたりの生地の重さ(g/m²)を表す基準から来ています。数字が大きくなるほど生地が厚く、重く、そして暖かくなります。
それぞれの特徴と用途の違いを詳しく解説します。
POLARTEC 100(軽量・高通気)
「薄手で動きやすく、インナーとしても優秀なライトウェイトフリース」
- 特徴: シリーズの中で最も薄く、軽量です。肌触りが滑らかで、高い通気性と速乾性を持っています。
- 用途: 激しい運動時の保温着や、春・秋の軽い防寒具として最適です。冬場はシェルジャケットの下に着る「ベースレイヤー」や薄手の「ミッドレイヤー(中間着)」として、着膨れせずに保温性を確保できます。
- イメージ: 薄手のフリースシャツ、マイクロフリース、ネックウォーマーなど。
POLARTEC 200(中厚・万能)
「保温性と通気性のバランスが取れた、フリースの世界的スタンダード」
- 特徴: 多くの人が「フリースジャケット」と聞いて思い浮かべる、最も標準的な厚みです。適度な厚みがありながらも、柔らかく扱いやすいのが特徴です。耐久性も高く、毛玉になりにくい加工(アンチピリング)が施されているものが一般的です。
- 用途: 秋のアウターから冬のミッドレイヤーまで幅広く対応する万能。街着から登山まで、あらゆるシーンで主力となります。
- イメージ: アウトドアブランドの定番フリースジャケット、ユニクロの標準的なフリース(※同等の厚み)など。
POLARTEC 300(厚手・高保温)
「圧倒的な暖かさを誇る、極寒地対応のヘビーウェイトフリース」
- 特徴: シリーズで最も厚く、毛足が長く、重量感があります。空気を大量に含むため断熱能力が非常に高く、天然繊維の防寒着に代わる存在として開発されました。
- 用途: 極寒地でのミッドレイヤー、あるいは風のない日であればアウターとして機能します。保温力は抜群ですが、嵩張(かさば)るため、重ね着の際はアウタージャケットのサイズ感に注意が必要です。
- イメージ: THE NORTH FACEの「デナリジャケット」などのヘビーアウター、軍用防寒着。
比較表
| 特徴 | POLARTEC 100 | POLARTEC 200 | POLARTEC 300 |
| 生地の厚み | 薄手(Light) | 中厚(Mid) | 厚手(Heavy) |
| 重量感 | 軽い | 標準 | 重厚 |
| 保温力 | ★☆☆(適度) | ★★☆(高い) | ★★★(最強) |
| 通気性 | 非常に高い | 高い | やや劣る(密度による) |
| 主な役割 | ベースレイヤー 薄手ミッドレイヤー | 主力ミッドレイヤー 秋のアウター | ヘビーミッドレイヤー 真冬のアウター |
| 着用シーン | ランニング、春山 インナー使い | 登山、キャンプ 日常着 | 極寒地、雪山待機中、 めっちゃ寒い日 |
通な豆知識(マニアック情報)
「パタゴニア」との深い関係
実はポーラテックのフリース(ポリエステル起毛素材)は、米国の繊維メーカー「モルデン・ミルズ社(現ポーラテック社)」とアウトドアブランド「パタゴニア」が共同開発した「シンチラ」が元祖です。ウールのセーターに代わる、濡れても乾きやすく軽い素材として開発され、世界中の登山家の常識を覆しました。
ミリタリー(軍モノ)での採用
POLARTECシリーズは、その信頼性から米軍のレイヤリングシステム「ECWCS(エクワックス)」でも採用されています。
- ECWCS Gen2 Level 3: 黒色のフリースジャケット(通称:ブラックフリース)には、主にPOLARTEC 300が使用されており、非常に分厚く暖かいです。
- ECWCS Gen3: 世代が進むと、従来のClassicシリーズ(100/200/300)から進化し、より毛足が長く軽量な「Thermal Pro(サーマルプロ)」や、グリッド状の「Power Dry(パワードライ)」などが採用されるようになりました。
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「Classic」という名称
現在、この100/200/300のシリーズは、ポーラテック社のラインナップの中で「POLARTEC Classic(クラシック)」というカテゴリーに分類されています。最新のハイテクフリース(AlphaやPower Gridなど)が登場してもなお、耐久性と安定した保温力で根強い人気を誇る「原点にして頂点」の素材です。
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