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Pertexとゴアテックスの違い|防水性・透湿性・防寒性能を比較

Pertexとゴアテックスの違い ミリタリーファッション

Pertex(パーテックス)とGORE-TEX(ゴアテックス)の大きな違いは、展開する素材の種類と、その用途です。

Pertexは、軽量な防風・撥水生地から防水透湿素材まで幅広く展開する素材ブランドです。

一方、GORE-TEXは、耐久防水性・防風性・透湿性を備えた防水プロダクトを中心に展開しています。

ただし、Pertexにも「Shield」や「Shield Air」といった本格的な防水素材があるため、GORE-TEXだけが防水性能を持つわけではありません。

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PertexとGORE-TEXの違いを比較

比較項目PertexGORE-TEX
ブランドの発祥イギリスアメリカ
主な特徴軽量性・防風性・透湿性など用途別に展開耐久防水性・防風性・透湿性
防水性シリーズによって異なる防水GORE-TEX製品は対応
撥水性多くの製品に備わる多くの製品に備わる
防風性シリーズによって異なる防水GORE-TEX製品は完全防風
透湿性シリーズによって異なる透湿性を備える
通気性Shield Airなどは空気を通す設計防水製品は風の侵入を遮断
軽量性軽量性を重視したシリーズが豊富軽量モデルも展開
保温性中綿やダウンとの組み合わせによる中綿やダウンとの組み合わせによる
代表的なシリーズQuantum、Shield、Shield Air、Shield ProGORE-TEX、GORE-TEX Pro、GORE-TEX Performance
主な用途ダウン、ウィンドシェル、レインウェアなどレインウェア、登山用シェル、防寒アウターなど

※GORE-TEX側は、黒いダイヤモンド型ラベルの防水プロダクトを基準としています。非防水のWINDSTOPPERシリーズは別に扱います。

PertexとGORE-TEXは、それぞれ複数の素材シリーズを持っています。

そのため、ブランド名だけで防水性能や透湿性能の優劣を決めることはできません。

違い① 防水性能

防水性能を比較するうえで重要なのが、Pertexの素材シリーズです。

Pertexはシリーズによって防水性が異なる

Pertexの代表的な素材には、次のような違いがあります。

シリーズ防水・撥水性能主な特徴
Pertex Quantum撥水超軽量・防風・ダウン抜け防止
Pertex Quantum Air撥水軽量・通気性・防風性とのバランス
Pertex Quantum Pro高い耐水性防風・軽量・耐水コーティング
Pertex Shield防水防水・透湿・防風
Pertex Shield Air防水防水・透湿・通気性
Pertex Shield Pro防水防水・透湿・耐久性
Pertex Equilibrium撥水通気性・速乾性・二重織り構造

例えば、ダウンジャケットによく使われるPertex Quantumは、非常に細い糸を高密度に織った生地です。

防風性と撥水性を持ちますが、防水メンブレンを備えたレインウェア用の素材ではありません。

一方、Pertex Shieldは防水メンブレンを使用した素材で、2層・2.5層・3層などの構造があります。

つまり、Pertex QuantumとGORE-TEXを防水性能で比較するのと、Pertex ShieldとGORE-TEXを比較するのでは意味が異なります。

GORE-TEXは防水性能を重視している

GORE-TEXの防水プロダクトは、耐久防水性・防風性・透湿性を備えています。

主にePE(延伸ポリエチレン)やePTFE(延伸ポリテトラフルオロエチレン)を用いたメンブレンが使用されています。

さらに、GORE-TEXはメンブレンだけでなく、縫い目を覆うシームテープや製品全体の構造も含めて品質を管理しています。

黒いダイヤモンド型ラベルの「GUARANTEED TO KEEP YOU DRY」が、その防水性能を保証する製品の目印です。

なお、GORE-TEXブランドに属するWINDSTOPPERは、完全防風性と透湿性を重視した非防水シリーズです。

違い② 透湿性・通気性

透湿性とは、衣服内部の汗による水蒸気を外部へ逃がす性能です。

Pertex ShieldとGORE-TEXは、どちらも防水性と透湿性の両立を目的に開発されています。

ただし、同じ素材ブランドでも製品によって透湿性能は異なります。

Pertex Shield Airは空気を通す構造

Pertex Shield Airには、電界紡糸によって製造されたナノファイバー膜が使用されています。

膜内部に微細な孔が連続しており、水滴を遮断しながら水蒸気や一定量の空気を通す構造です。

Pertex公式では、空気の流れによって暖かく湿った空気を外部へ逃がすことを特徴として説明しています。

GORE-TEXは風を遮断しながら水蒸気を逃がす

GORE-TEXの防水シリーズは、風の侵入を遮断しながら、汗の水蒸気を外部へ逃がす設計です。

そのため、Pertex Shield Airのように空気自体を通す設計とは仕組みが異なります。

ただし、通気性がある素材だからといって、必ず透湿性能が高いとは限りません。

両者の性能を厳密に比較するには、同じ試験条件で測定された数値が必要です。

違い③ 軽量性・収納性

Pertexは、軽量性や収納性を重視した素材を数多く展開しています。

特にPertex Quantumは、非常に細い糸を高密度に織ることで、軽さとダウン抜け防止性能を両立した素材です。

一方、GORE-TEXにも軽量な素材があり、現在のePEメンブレンは薄さと軽さを特徴としています。

Pertexのほうが必ず軽いというわけではありません。

完成したアウターの重量は、表地の厚さ、メンブレンの構造、裏地、中綿などによって変化します。

PertexとGORE-TEXはどちらが暖かい?

PertexとGORE-TEXは、主に風雨から身体を保護するための素材です。

そのため、素材名だけでジャケットの暖かさを比較することはできません。

例えば、次の2つのジャケットでは構造が異なります。

  • Pertex Quantumを使用した、ダウン入りの防寒ジャケット
  • GORE-TEXを使用した、中綿のない防水シェルジャケット

この場合、Pertexを使用したダウンジャケットのほうが高い保温性を発揮する可能性があります。

反対に、GORE-TEXシェルに厚いフリースやダウンを組み合わせれば、寒冷地にも対応できる防寒構成になります。

実際の暖かさは、中綿の種類や量、防風性、衣服全体の構造によって決まります。

Pertexを使用した代表的なアウター

国内でも知られているブランドのなかから、Pertexを採用したアウターを紹介します。

WAIPER.inc TEST PROJECT WIND SHELL(WP1184)

使用素材:Pertex Quantum Pro

米軍向けの実験的なレイヤリングシステムを参考にしたウィンドシェルジャケットです。

極細糸を高密度に織ったPertex Quantumに耐水コーティングを施した、Quantum Proを採用しています。

非常に軽量な生地で、防風性と高い耐水性を備えています。

防寒用の中綿は入っておらず、薄手のウィンドシェルとして使用する構造です。

WAIPER.inc WP1184|WAIPER公式

WAIPER.inc ECWCS GEN III LEVEL7 PRIMALOFT(WP1008)

使用素材:Pertex Unlimited

米陸軍の寒冷地用アウター「ECWCS GEN III LEVEL7」をモチーフにした防寒ジャケットです。

表地にPertex Unlimited、中綿にPrimaLoftを採用しています。

Pertex Unlimitedは防風性や撥水性を備えた素材を展開していますが、この製品はPertex Shieldを使用した防水シェルではありません。

防寒性能は、主に中綿のPrimaLoftによって確保する構造です。

WAIPER.inc WP1008|WAIPER公式

and wander PERTEX SHIELD rain jacket

使用素材:Pertex Shield

アンドワンダーの防水透湿ジャケットです。

3層構造のPertex Shieldを採用し、製品仕様では耐水圧20,000mm、透湿度20,000g/m²/24hと公表されています。

大きなポケットと脇下のベンチレーションを備えており、衣服内の換気を調整できる構造です。

なお、この数値は当該製品に採用されている生地の仕様であり、すべてのPertex Shield共通の数値ではありません。

and wander PERTEX SHIELD rain jacket|楽天市場

Rab Microlight Alpine Jacket

使用素材:Pertex Quantum

イギリスのアウトドアブランドRabを代表する軽量ダウンジャケットです。

表地にPertex Quantumを使用し、中綿には700フィルパワーのダウンを採用しています。

Pertex Quantumの軽量性、防風性、ダウン抜け防止性能を生かした構造です。

軽量な表地とダウンによって保温性を確保するモデルであり、Pertex Shieldのような防水シェルとは用途が異なります。

Microlight Alpine Jacket|楽天市場

GORE-TEXを使用した代表的なアウター

続いて、GORE-TEXを採用した防水・防風アウターです。

米軍実物 ECWCS GEN III LEVEL6 GORE-TEX ジャケット

使用素材:GORE-TEX

米陸軍の寒冷地被服システム「ECWCS GEN III」のLEVEL6に相当する防水シェルです。

雨や雪などの湿った環境での活動を想定した構造で、収納式フードや換気を考慮したジッパー構造を備えています。

LEVEL6は防水・防風を主な役割としており、防寒用の中綿を備えたLEVEL7とは異なります。

米軍 ECWCS GEN III LEVEL6 GORE-TEX ジャケット|WAIPER公式

ARC’TERYX Beta Jacket

使用素材:GORE-TEX ePE

アークテリクスを代表する防水シェルジャケットです。

GORE-TEX ePEメンブレンを採用し、耐久防水性・防風性・透湿性を備えています。

立体裁断による動きやすさや、視界を確保しやすいStormHoodなどが特徴です。

中綿のない防水シェルで、寒い環境ではフリースや保温着との組み合わせを想定しています。

ARC’TERYX Beta Jacket|楽天市場・BEAMS

THE NORTH FACE Mountain Jacket(NP62510)

使用素材:GORE-TEX ePE

ザ・ノース・フェイスを代表するマウンテンジャケットです。

2025年モデルのNP62510は、150デニールのGORE-TEX 2層素材を採用しています。

防水性・防風性を備えたアウターシェルで、スノーカフや脇下のベンチレーションなどを装備しています。

また、ZIP IN ZIPシステムに対応し、専用のフリースなどを内側に連結できる構造です。

THE NORTH FACE Mountain Jacket NP62510|楽天市場

ARC’TERYX Beta Insulated Jacket

使用素材:GORE-TEX ePE + Coreloft Continuous

Beta Jacketとは異なり、防寒用の中綿を備えたモデルです。

表地側には防水透湿性を備えたGORE-TEX、中綿には化学繊維のCoreloft Continuousを採用しています。

防水シェルと保温材を一体化したジャケットの例です。

GORE-TEX自体の保温性ではなく、内部に使用される中綿によって暖かさを確保しています。

ARC’TERYX Beta Insulated Jacket|メーカー公式(英語)

PertexとGORE-TEXを比較するときの注意点

最も重要なのは、採用されている素材の正式名称を確認することです。

例えば、次の3つは異なる構造です。

  • Pertex Quantum:防風性・撥水性を備えた軽量生地
  • Pertex Shield:防水メンブレンを備えた防水透湿素材
  • GORE-TEX:防水メンブレンを使った防水透湿プロダクト

Pertexと書かれているだけでは、防水素材かどうか判断できません。

また、GORE-TEXブランドのWINDSTOPPERは、耐久防水を保証する通常のGORE-TEX製品とは区別する必要があります。

撥水性と防水性も同じではありません。

撥水性は生地表面で水をはじく性能、防水性は水が内部へ侵入するのを防ぐ性能です。

雨のなかで使用するアウターでは、素材の防水性能だけでなく、縫い目の防水処理やジッパー、フードなど、製品全体の構造も確認する必要があります。

まとめ

PertexとGORE-TEXの主な違いは、展開する素材シリーズと用途です。

  • Pertex: 軽量・防風・撥水素材から、本格的な防水透湿素材まで幅広く展開。
  • GORE-TEX: 耐久防水性・防風性・透湿性を備えた防水プロダクトを中心に展開。

Pertex Quantumは軽量ダウンやウィンドシェルに使われ、Pertex Shieldは防水ジャケットに使用されます。

GORE-TEXも防水シェルだけでなく、中綿入りの防寒ジャケットなどに採用されています。

そのため、PertexとGORE-TEXの性能を比較するには、素材シリーズと製品構造を確認することが重要です。


参考資料

素材性能の説明には、PertexとGORE-TEXの公式資料を使用しています。

個々のアウターの素材や構造は各メーカーの公表仕様を基にしています。楽天市場とWAIPER公式の商品ページは、該当製品の参考リンクかつアフィリエイトとして掲載しています。