B-15CとB-15Dは、1950年代にアメリカ空軍(USAF)が採用したフライトジャケットです。
B-15Cは1950年代初頭に登場し、その後、1953年に後継モデルのB-15Dが採用されました。
最大の違いはカラーです。B-15Cはエアフォースブルー、B-15Dはセージグリーンが代表的な色となっています。
当時の米軍規格資料をもとに、B-15CとB-15Dの違いを比較します。
B-15CとB-15Dの違いを比較
| 比較項目 | B-15C | B-15D |
|---|---|---|
| 登場時期 | 1950年代初頭 | 1953年 |
| 採用軍 | アメリカ空軍 | アメリカ空軍 |
| 代表的なカラー | エアフォースブルー | セージグリーン |
| 軍用規格 | MIL-J-6251 | MIL-J-6251Bなど |
| 表地 | ナイロン | ナイロン |
| 襟 | ムートン | ムートン |
| フロントジッパー | 中央配置 | 中央配置 |
| ポケット | 左右スラッシュポケット | 左右スラッシュポケット |
| 左袖 | ジッパー付きユーティリティポケット | ジッパー付きユーティリティポケット |
| 酸素マスク用タブ | あり | あり |
| 通信コード用タブ | あり | あり |
| MOD(改修型) | あり | あり |
※一般的なB-15CとB-15Dの仕様を比較しています。B-15Cにはオリーブドラブの実物も存在し、製造契約や仕様改訂によって細部が異なる場合があります。
B-15C・B-15Dの外観を写真で比較
WAIPER公式では、それぞれの復刻モデルが掲載されています。
B-15CとB-15Dの主な違い
カラーの違い
B-15CとB-15Dを比較すると、もっとも大きな違いは表地のカラーです。
B-15C:エアフォースブルー
1947年にアメリカ空軍が陸軍から独立した後、空軍独自のカラーとしてエアフォースブルーが採用されました。
B-15Cにもこのカラーが使用されています。
なお、B-15Cにはオリーブドラブの実物も存在するため、すべてが青色というわけではありません。
B-15D:セージグリーン
後継モデルのB-15Dでは、エアフォースブルーからセージグリーンへと変更されました。
セージグリーンは、灰色を帯びた落ち着いた緑色です。
このカラーは後継のMA-1にも受け継がれています。
軍用規格の違い
B-15CとB-15Dでは、米軍の仕様書にも違いがあります。
B-15C
- 制式名称:Jacket, Flying, Intermediate, Type B-15C
- 規格番号:MIL-J-6251
1951年2月26日付の米軍通知では、A-2フライトジャケットの調達規格を廃止し、B-15Cの規格「MIL-J-6251」へ移行することが記載されています。
B-15D
- 制式名称:Jacket, Flying, Intermediate, Type B-15D
- 規格番号:MIL-J-6251Bなど
米国政府の1953年4月刊行物目録には、1953年1月13日付の「MIL-J-6251B」が掲載されています。
この規格の対象はB-15Dであり、1952年2月7日付の「MIL-J-6251A」を置き換えたことも記されています。
このように、B-15CからB-15Dへの移行では、軍用規格も改訂されています。
表地と襟の構造に違いはある?
B-15CとB-15Dは、どちらもナイロン製のフライトジャケットです。
表地がコットンからナイロンに変更されたのは、B-15Cより前のB-15Bです。
そのため、表地がナイロンかどうかでは、B-15CとB-15Dを区別できません。
襟についても、両モデルとも防寒用のムートンを採用しています。
また、フロントのスラッシュポケット、左袖のユーティリティポケット、酸素マスク用タブなどの基本構造も共通しています。
B-15Dは、B-15Cの基本的なデザインを引き継いだモデルです。
ただし、製造メーカーや契約による細部の違いは存在します。
B-15C MODとB-15D MODの違い
B-15CとB-15Dには、後年に改修された「MOD(Modified)」というモデルも存在します。
MODとは、支給済みのフライトジャケットを米軍の指示に従って改修したものです。
代表的な変更点は、ムートン襟をウール製のニット襟へ交換したことです。
| 比較項目 | B-15C MOD | B-15D MOD |
|---|---|---|
| 代表的なカラー | エアフォースブルー | セージグリーン |
| 襟 | ニットリブ | ニットリブ |
| 表地 | ナイロン | ナイロン |
| 元のモデル | B-15C | B-15D |
MODはB-15CからB-15Dへ移行する際に生まれた新型というわけではありません。
B-15CとB-15Dの両方に対して、後年に同様の襟の改修が行われました。
まとめ:B-15CとB-15Dの違い
B-15CとB-15Dは、どちらも1950年代にアメリカ空軍が採用したナイロン製のフライトジャケットです。
主な違いは以下のとおりです。
- カラー: B-15Cはエアフォースブルー、B-15Dはセージグリーン。
- 登場時期: B-15Cは1950年代初頭、B-15Dは1953年。
- 軍用規格: B-15CはMIL-J-6251、B-15DはMIL-J-6251Bなど。
一方、ムートン襟、ナイロン製の表地、ポケットの配置など、基本的な構造は共通しています。
B-15Dは、B-15Cの基本構造を引き継ぎながら、カラーや軍用規格が変更された後継モデルです。
それぞれの外観については、WAIPER公式の復刻モデルの写真も参照できます。
参考資料 : 米軍・米国政府の一次資料
- U.S. Army Specification No. 94-3040, Notice No. 1(1951年2月26日) — B-15Cの規格番号MIL-J-6251を確認できる米軍通知の複写。
- U.S. Government Printing Office — Monthly Catalog of United States Government Publications, April 1953 — 項目5841にB-15Dの規格MIL-J-6251Bと発行日を記載。
米軍実物の写真資料(米国)
- Good Wear Leather — USAF B-15C — B-15C実物のカラーやディテールを確認できる資料。
- Good Wear Leather — USAF B-15D — B-15D実物のカラーや製造契約別の違いを確認できる資料。
※1950年代の仕様書全文は確認できていないため、細部の仕様差は確認できた実物資料の範囲に限定しています。

