この記事ではジャケットとパンツの両方について、本物の特徴と偽物との違いを米軍資料をもとに紹介します。
BLACK357の本物の特徴
米国防総省の仕様書「MIL-DTL-44048H」では、コンバットコートのType VIIIとして、
Black 357, nylon/cotton ripstop
と規定されています。BLACK357のジャケットは、ナイロン/コットンのリップストップ生地を使用した黒色のBDUです。
ジャケットについては、隠しボタン式のフロント、4つのフラップ付きポケット、肘の補強、調整できる袖口なども米軍仕様書に記載されています。
パンツも米軍の物品データにBLACK357が登録されています。たとえばSMALL-REGULARのNSN 8415-01-422-4724は「Camouflage Black Army 357 Trousers」で、MIL-T-44047に基づくパンツです。コットン/ナイロンのリップストップ生地、ボタンフロント、ウエスト調整、カーゴポケット、膝と尻の補強、裾のドローコードなどが記録されています。
BLACK357の実物と偽物の違い
| 確認部分 | 実物ジャケット | 実物パンツ | 偽物・民生品で確認する部分 |
|---|---|---|---|
| 色 | BLACK 357 | BLACK 357 | BLACK表記だけの場合がある |
| 米軍仕様 | MIL-C/MIL-DTL-44048系 | MIL-T-44047 | 米軍仕様番号がない場合がある |
| 生地 | ナイロン/コットン・リップストップ | ナイロン/コットン・リップストップ | ポリエステル混など仕様の異なる製品もある |
| フロント | 隠しボタン | ボタンフロント | ジッパーなど仕様が異なる場合がある |
| ポケット | フラップ付き4ポケット | BDU型カーゴポケット | 数や形状が異なる場合がある |
| 補強 | 肘部分 | 膝・尻部分 | 補強が省略されている場合がある |
| 裾 | ストレート | ドローコード付き | ドローコードなしなど |
| 官給ラベル | 品名・契約番号・素材・コントラクターなど | 品名・契約番号・素材・コントラクターなど | 民間ブランドタグのみの場合がある |
| NSN | サイズごとのNSN | サイズごとのNSN | NSNがない、または表記内容と一致しない |
見た目だけで判断するのではなく、タグ、NSN、生地、ディテールが一致しているかを見るのが基本です。
BLACK357ジャケットの本物の見分け方
BLACK357ジャケットで最初に確認したいのが内側のラベルです。
米国防総省の「MIL-DTL-44048H」では、識別ラベルに品名、コントラクト番号、繊維組成、コントラクター名を記載することが規定されています。
さらにBlack 357に該当するType VIIIとType XIIについては、ラベルを白色とする規定があります。
市場で確認できる1997年度契約品には、次のような表記があります。
COAT, HOT WEATHER BLACK 357
50% NYLON / 50% COTTON
SPO100-97-D-CB11
UNICOR, GREENVILLE, IL
SMALL-REGULARでは、NSN 8415-01-422-1990の個体が確認されています。Luby’s
NSN 8415-01-422-1990は米軍の物品データでもMIL-C-44048に対応し、色は「BLACK, US ARMY, 357」、生地はナイロン/コットンのリップストップ、4つのカーゴポケット、肘の補強などが記録されています。
ジャケットの形状も確認する
米軍仕様書ではBLACK357ジャケットについて、襟付きのシングルブレスト、隠しボタン式フロント、胸2個と腰2個の計4ポケット、肘の補強、調整可能な袖口という構造が規定されています。
タグの表記がそれらしくても、ジャケット自体の構造が大きく異なる場合は、官給品として販売されているものなのか確認したほうがよいでしょう。
→ WAIPER公式|実物 米軍 BLACK357 リップストップジャケット
BLACK357パンツの本物の見分け方
パンツもタグとNSNを確認します。
市場で確認できる1997年度契約品では、
TROUSERS BLACK 357
50% NYLON / 50% COTTON
SPO100-97-D-CB10
という表記があります。
SMALL-REGULARではNSN 8415-01-422-4724が確認されています。Rakuten Items
このNSNは米軍物品データでもBLACK357のトラウザーズとして登録されており、MIL-T-44047に対応しています。
パンツのディテール
BLACK357パンツの米軍物品データには、ボタン式フロント、ウエスト調整、カーゴポケット、膝と尻の補強、裾のドローコードなどが記載されています。
米陸軍の「TM 10-227」に掲載されているBDUトラウザーズも、ボタンフライ、左右のウエスト調整ストラップ、ヒップポケット、カーゴポケット、膝と尻の補強、裾のドローコードという構造です。
このため、BLACK357パンツではタグだけでなく、BDU本来のディテールも見分ける材料になります。
→ WAIPER公式|実物 米軍 BDU BLACK357 カーゴパンツ
コントラクト番号だけで本物と判断しない
BLACK357の1997年度契約品では、ジャケットのSPO100-97-D-CB11、パンツのSPO100-97-D-CB10が実物個体で確認されています。
ただし、コントラクト番号だけを見て本物と判断するのは避けたほうがよいでしょう。
タグに記載された品名、素材、NSN、サイズ、コントラクターと、実際の生地やディテールまで一致しているかを見る必要があります。
また、BLACK357は「1997年だけ」と説明されることがありますが、米国防総省が2000年に発行した「MIL-DTL-44048H」にも、Type VIIIとしてBlack 357が記載されています。
そのため、少なくともBLACK357という米軍仕様そのものが1997年だけ存在したという意味ではありません。
レプリカと偽物は分けて考える
BLACK357を再現した民間メーカーのBDUもあります。
民間品として販売されているレプリカであれば、それ自体を偽物とする必要はありません。
注意したいのは、民間品やレプリカを「米軍実物」「米軍官給品」として販売しているケースです。
実物として購入する場合は、BLACK357という色やBDUの形だけではなく、官給ラベル、NSN、米軍仕様番号、生地、各部の構造まで確認します。
まとめ
BLACK357の本物を見分ける場合は、ジャケットとパンツで確認する部分が少し異なります。
ジャケットではBLACK357表記、MIL-C/MIL-DTL-44048系、官給ラベル、4ポケット、隠しボタン、肘の補強。
パンツではBLACK357表記、MIL-T-44047、NSN、ボタンフロント、カーゴポケット、膝と尻の補強、裾のドローコードが主な確認部分です。
1997年度契約品ではジャケットの「SPO100-97-D-CB11」、パンツの「SPO100-97-D-CB10」が確認されていますが、番号だけではなく、タグ全体と本体の仕様が一致しているかを見るのが重要です。
WAIPER公式で実物を確認
ミリタリーショップWAIPER公式では、米軍実物のBLACK357ジャケットとカーゴパンツが取り扱われています。
特にカーゴパンツは「TROUSERS, BLACK 357」の実物デッドストックとして販売されており、ナイロン・コットンのリップストップ生地、ボタンフライ、ダブルニー、カーゴポケット、裾のドローコードなど、この記事で紹介したBLACK357の特徴も確認できます。
→ WAIPER公式|実物 米軍 BDU BLACK357 カーゴパンツ
ジャケットはこちらです。
→ WAIPER公式|実物 米軍 BLACK357 リップストップジャケット
米軍資料
- 米国防総省/Defense Logistics Agency「MIL-DTL-44048H」
BLACK357ジャケットの「Black 357」、ナイロン/コットン・リップストップ、生地やラベルなどの仕様を確認。
MIL-DTL-44048H(DLA公式) - 米陸軍「TM 10-227 Fitting of Army Uniforms and Footwear」
BDUジャケット・パンツの基本構造やディテールを確認。
TM 10-227
BLACK357のNSN・実物タグ確認
- NSN Lookup「8415-01-422-4724 Camouflage Black Army 357 Trousers」
BLACK357パンツのNSN、MIL-T-44047などを確認。
NSN 8415-01-422-4724 - Luby’s「US.MILITARY BLACK 357 COAT HOT WEATHER」
実物ジャケットの「COAT, HOT WEATHER BLACK 357」「SPO100-97-D-CB11」「NSN 8415-01-422-1990」などのタグ表記を確認。
Luby’s BLACK357ジャケット


